【TOEICパート7】リーディングも空気を読んで解く

この記事で解決できるお悩み

TOEICリーディングで答えがどこに書いてるかわからない
TOEICパート7の正答率が低い
TOEICパート7が苦手な人が取るべき対策・勉強法は?

鈴木 拓
執筆者の鈴木拓です。(>>プロフィールはこちらから

  • 昔は偏差値30、通信簿2と英語が苦手。
  • 1年でTOEIC900点。その後TOEIC990点(満点)、英検1級取得。
  • WEB英語指導歴22年以上。27,000名超の指導実績

今回は、TOEICパート7や英語リーディングで問題が解けない理由についてお話しします。

英文の意味を取れても解けない理由

それは、英文の意味を取れるだけでは解けないからです。

一つひとつの文の意味を理解した上で、全体として何を言っているのかまで読み取る必要があるからです。

だから、答えの選択肢も、本文とそのままそっくりの選択肢ではありません。

TOEICパート7などのリーディング問題は、

「”別の言い方をしているけど、同じことを言っている”というのを見破れるだけの、英語力がある人だけが解ける」問題となっているのです。

パターン1:空気を読めない

一般的に、英語は「すべてをはっきりと言わないといけない言語」と言われます。

これは、私が英会話スクールに通い始めた頃のやりとりであったことなのですが、

私が「I took off a jacket.」と言ったら、「Whose jacket?」とネイティブ講師が言うのです。

「誰のジャケットか?いや、I took offって言ってるじゃないか。それは自分のジャケットに決まってるでしょ?自分が誰かのジャケットを勝手に脱がすとかないでしょ」と思ったのですが、その講師は意地悪してやろうという様子でもなく、本当にわからないという様子で質問している印象でした。

→日本語では「私は私のジャケットを脱いだ」と言わなくても通じますが、英語では「I took off my jacket.」と言わないと伝わらない

似たような経験は何回もあり、バスケットボールの話をしているときにも、

「He injured an ankle.」と言ったら、「Whose ankle?」と、また、「本気でわからない」という顔で聞かれたりもしました。

このように、英語では、はっきりとすべてを伝えなければ通じない(空気を読んでくれない)ところがあります。

ですが、実は英語でも、空気を読まないといけない場面はたくさんあるのです。

英語も空気を読む必要がある

日本語と英語では空気の読み方が違うだけで、英語でも空気を読まないといけない場面がたくさんあります。

例えば、次の英文↓

Our president introduced a crazy rule.
He wants everyone to go to his office and say good morning by eight o’clock.
Of course, many of us objected.

この英文を読んで、ほとんどの人は、次のように思うでしょう。↓

「8時までに、全員社長のオフィスに行って、おはようございますって言わなきゃいけない? それは変なルールだよね。反対するのも当たり前だ」と。

ところが、ネイティヴの中には、以下のような読み方をする人がけっこう多いのです。

「8時までに、全員社長のオフィスに行って、おはようございますって言わなきゃいけない?それは変なルールだよね。そんな変なルールなのに、反対したのが、many of us? all of usではないんだ。ってことは、反対していない人がいるわけだ」と。

日本人の感覚からすると、

「え? 着目するのはそこなの?manyで、多くの人が反対したって言ってるのに、なぜそこであえて、少しはいるかもしれない反対していない人に着目するの?」

と思いますよね?

でも、これが英語の「空気の読み方」であり、言い換えれば、「裏を読む」ということ

欧米人はディベートをよくしますから、論理的に考えて、「all of usではないんだ。ってことは、反対していない人がいるわけだ」と見るのです。

英語の「空気を読む」は論理的

例えば、↓の英文。

There was a weird rule in my school. Because of the rule, we couldn’t leave any textbook or notebook at school and we had to take all of them back home. The school proposed changing the rule. Every student voted and most of them voted “Yes.” Now we don’t have to take every textbook and notebook home.

むずかしい単語・熟語は使われていませんし、長い文、複雑な文もありませんから、

私の学校では変なルールがありました。
そのルールのため、私たちはいかなる教科書もノートも学校に置いていくことはできず、すべてを学校に持って帰らなければいけませんでした。
学校がこのルールを変えることを提案しました。
すべての生徒が投票し、ほとんどが”はい”と投票しました。
今、私たちはすべての教科書とノートを家に持って帰る必要はありません。

と意味が取れる人は多いです。

それなのに、

Who voted against the change?
(A) Every student.
(B) Some students.
(C) No student.
(D) Some teachers.

という問いになると、「え? どこに誰が反対したなんて書いてあった?」と、急に解けなくなってしまう人が多いのです。

「反対する先生っているよね」と(D) Some teachers.を選んだり、「most of them voted “Yes”だから、誰も反対してないよ」と、(C) No student.だと勘違いする人も多いのですが、

答えは、(B) Some students.

どこにもそんなこと書いてなかったけど・・・
鈴木 拓

確かに直接の記述はありませんでしたが、
Every student voted and most of them voted “Yes.”に着目してみましょう。

most of them「ほとんどの生徒」と言っているが、all of them「全生徒」とは言っていない
→何人かの生徒は反対したということになる。= (B) Some students.が答えです。

このように、ネイティブは論理的に考えて、「most of themってことは、反対した生徒もいたんだな」という見方をする人が多いのです。

これが英語に求められる「空気の読み方」で、そこまで読み取れないと、真の意味で「英語の意味が取れている」とは言えませんし、TOEICのパート7などの読解問題ではスコアが取れないのです。

日本語の空気の読み方は、「感情を察する空気の読み方」なのに対し、英語の空気の読み方は、「論理の裏側を読む空気の読み方」なのです。

裏側を読む出題例をもっと見る >>
他にもこのような出題パターンもあります。

Unfortunately, ABC Corporation couldn’t release their new product in this quarter. Under the uncertain circumstances, it is quite difficult to predict anything. Unfortunately, many economists are saying the world economy is going to be a little weaker. We would be enjoying ABC’s new product now, if it had not been for US President’s policy.

において、

Why couldn’t ABC Corporation release their new product in this quarter?

という問題が出たりするのです。

え? 新製品を出せなかった理由なんて書いてあった?
鈴木 拓
空気を読めば、書いてあるんです。
uncertain circumstances「不安定な状況」と言っているから、「状況が不安定だから」が理由?
それとも、「経済が弱くなる」って言っているから、「経済が悪いこと」が原因なのかな?
鈴木 拓

そう思う方もいらっしゃると思うのですが、本文には直接、それが原因だということは書かれていないんです。

答えは、US President’s policyです。

We would be enjoying ABC’s new product now, if it had not been for US President’s policy.
「アメリカ大統領の政策がなければ、われわれはABCの新製品を今楽しんでいただろう」

と言っていますね。

仮定法というのは、いつも「裏」が真実です。

「アメリカ大統領の政策がなければ」と言っても、それは仮定の話。現実には、政策があったのです。

「われわれはABCの新製品を今楽しんでいただろう」とは言っても、それは仮定の話。現実には、今は楽しんでいないのです。

つまり、逆に言えば、

「大統領の政策があったから、新製品が出せなくて、われわれは今新製品を楽しんでいない」

ということになるのです。

「manyってことはallじゃないから、反対していない人がいたのね」を例に挙げたときと同様に、

「見るのってそこ? そこまで読み取らないといけないの?」と思うかもしれません。

でも、これが英語に求められる「空気の読み方」なのです。

その2:「言い換え」を見抜けない

例えば、↓のEmailがあったとします。

Hi Terry.

How are you doing? It has been quite cold for the last two days, hasn’t it?

Last week, I took three English lessons on Monday, Wednesday, and Friday. My teacher said my English is much better than when I started. I’m glad that I made an improvement.

On Saturday, I went to my son’s school’s sports day. It was good to see my son’s nice performance.

Yesterday, my family went to the theme park. It was quite cold, but because of that, luckily we didn’t have to wait in line.

See you on Friday.

Have a nice day.

Naomi Suzuki.

あまりむずかしい単語・熟語もないですし、長い英文、複雑な英文もありません。

しかし、次の問いになると、解けなくなってしまう人が多いのです。

What is Naomi talking mainly about?

↑これは選択肢がなく、自由に答えることができるなら簡単な問題です。

例えば、

English lessons, her son’s school’s sports day, and the theme park.

と答えれば正解ですね。

でも、これが一転して、選択肢がつくと難易度が高くなります

What is Naomi talking mainly about?
(A) Weather.
(B) Education.
(C) A meeting on Friday.
(D) Daily occurrences.

というように答えを選択肢から選ぶとなると・・・

「あれ? English lessonsがない?」
「あれ? 運動会は?」
「あれ? 遊園地がない‥」

ということは、(A) Weather.が答え?
確かに、「寒い」とは言っていますが、mainly「主に」話している話題ではありませんね。
(B) Education.でしょうか?
確かに、運動会の話が出ていて、それは教育とも言えるかもしれませんが、主な話題には見えませんよ。
じゃあ、(C) A meeting on Friday.ですか?
確かに、「金曜日に会おう」とは言っていますが、それが主な話題とは思えません。

答えは、(D) Daily occurrences.

dailyという単語も、occurrencesという単語も、どこにも本文には出てきません。

でも、「先週は、月曜日、水曜日、金曜日に英語のレッスンを受けた。土曜日は息子の運動会に行った。日曜日は遊園地に行った」この話って、要するに、daily occurrences「日々の出来事」ですよね?

だから、(D) Daily occurrences.が答えになるのです。

このように、正解の選択肢は、本文と同じ言葉では書かれていないので、パッと見ただけではわかりません。

English lessons, her son’s school’s sports day, and the theme park. →Daily occurrencesに言い換え

のように“別の言い方をしているけど、同じことを言っている”というのを見破れるだけの、英語力がある人だけが解ける問題となっているのです。

【TOEICパート7】勉強法とおすすめ教材

TOEICのパート7など、リーディングの問題を解けるようになるには、「英文の意味が取れる」だけでは不十分。
「裏まで読む」力、「別の言い方も見破れる」力、この両方が必要なのです。

その力をつけるためには、問題付きのリーディング教材(※詳しい解説付きの教材で学び、詳しい解説を読むことによって「そういうことだったのか!」と、気づく経験を繰り返すしかありません。

鈴木 拓
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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