この記事で解決できるお悩み
英語をネイティヴのように”感覚”でわかるようになりたい
- 昔は偏差値30、通信簿2と英語が苦手。
- 1年でTOEIC900点。その後TOEIC990点(満点)、英検1級取得。
- WEB英語指導歴22年以上。27,000名超の指導実績。メディア掲載歴有り
ネイティヴの英語感覚を自然に身につけるには時間がかかります。
こちらの記事では、効率良く正しいネイティヴ感覚を身につける方法についてお話しします。
ネイティヴにとっての英文法
ネイティヴは英語を感覚で読んだり話したりしていますが、だからといって英文法を知らないわけでも無視しているわけでもありません。
ネイティヴは英語が母国語ですから、無意識に文法を使いこなしているだけであって、何も考えずに話しているわけではありません。
「ネイティヴのように読む=なんとなく読む」ではない
突然ですが、英文をなんとなく読んでいませんか?
例えば、次の英文↓
The prominent expert talked about in the news every day recently has been chosen as the head of the experts’ panel.
the prominent expert(著名な専門家)→talked about(話した)→in the news(ニュースで)→every day(毎日)→recently(最近)→
has been chosen(選ばれたと)→as head of the experts’ panel(専門家会議のトップに)
というように、なんとなく意味をつなげるだけで、「著名な専門家は、ニュースで、毎日、最近専門家会議のトップに選ばれましたと、話した」という意味だと取る。
このように英文を「なんとなく読む」方はとても多いですし、それゆえに意味を取り違えてしまう人も多いです。
実際に、先ほどの英文も正しくは、「最近、ニュースで毎日話題となっている著名な専門家は専門家会議のトップに選ばれた」という意味。
英文を”なんとなく”の感覚だけを頼りに読んでいくと、意味を取り違えてしまうことが多いのです。
ネイティヴ並みに正しく読むなら構造に着目
先ほどの例文↓
The prominent expert talked about in the news every day recently has been chosen as the head of the experts’ panel.
であれば、talked aboutを単に、「あー、”話した”だね」と読んでしまう人が多いのですが、それではダメ!
ですから、I talked about.だけで終わらせてしまうのは間違いで、I talked about that news.の”that news”のように、後ろに目的語となる名詞が必要なのです。
それを踏まえて、もう一度先ほどの文を見ましょう↓
The prominent expert talked about in the news every day recently has been chosen as the head of the experts’ panel.
副詞は目的語になれません。
ですから、talked aboutを「過去形の動詞」と判断して「話した」と読んでしまうのは間違いなのです。
このtalked about は「過去分詞の形容詞」と判断するのが正解。talked about が prominent expert を修飾しているのです。
そして、過去分詞が形容詞となって修飾している場合は、「〜された○○」という意味になりますから、今回は、「話された著名な専門家」=「話題となっている著名な専門家」という意味になります。
このように、文の構造に着目して読み進めることで、ネイティブのように正しく文の意味を読み取ることができるのです。
ネイティヴの英文法は無意識レベル
そもそも、ネイティヴはそんなこと考えながら読んでいないでしょ?
例えば、先ほどの例文↓
The prominent expert talked about in the news every day recently has been chosen as the head of the experts’ panel.
この後半(has been 以降)を省略した文↓
The prominent expert talked about in the news every day recently .
これをネイティヴに見せると、次のような反応が返ってきます。
この反応から、ネイティヴは「The prominent expert talked about in the news every day recentlyが主語であり、次は動詞が来る」と捉えていることがわかります。
「The prominent expert talked about in the news every day recently.」だけで文が終わっていて、次に来るはずの動詞がありませんから、「え? prominent expertは何を話したんだ?」という反応になっているのです。
英語を母国語にするネイティヴにとって、それは感覚でわかること。
無意識のうちに「talked aboutは動詞ではなく、The prominent expertを修飾していて、主語の一部」ということがわかっているのです。
しかしながら、私たちは英語が母国語ではありませんから、英文の構造を瞬時に把握できる感覚が自然に身についていないわけです。
ですから、この感覚を人工的に身につける必要があるのです。
感覚依存より英文法学習が最短ルート
ネイティブみたいに自然に感覚を身につけることはできないの?
それに、ネイティブの感覚は英文法学習で身につける方が、スムーズに正しく身につくというメリットがあるんです。
自然に学ぶというのは、ガリガリ勉強するのとは対極にある”楽な学習法”というイメージがあるかもしれませんが、そうとも限らないのです。
例えば、be動詞の使い分け。
これは最初の段階で学ぶ英文法ですが、英文法を学習しなくても何回も英語に触れていれば、Iのときはamで、youのときはareで・・という感覚がなんとなくわかってくるでしょう。
実際、ネイティヴに限らず小さな子どもたちは、そのような形で英語を使えるようになっていきます。
でも、最初から「I(一人称)のときはamで、youのときはare・・・」という英文法を学習していたら、何回もそのルールをわかるまで繰り返し英語に触れる必要は無くなりますし、試行錯誤することなく、正しい使い分けを身につけることができますよね。
その一方で、「なんとなく、こうなのかな?」という感覚依存の学習では、理解が曖昧で適切に使うことができない可能性もあります。
それに、be動詞の使い分けのようなわかりやすいものだったらまだしも、関係代名詞等の複雑な英文法を、自然に学び取ることは困難です。
したがって、ネイティブの持つ英語の感覚は、英文法を理解して人工的に身につける方法が効率的で確実なのです。
ネイティヴの感覚は英文法で作る
英文法学習をすることで、
というように、英文法に基づいた判断ができるようになります。
そして、さらに、
- →The prominent expert talked about that scenario..のように、名詞が来たのなら、それは過去形の動詞。
- →The prominent expert talked about in the news..のように、別の語が来たのなら、それは過去分詞の形容詞。
のように、「どこに着目すればいいか?(後ろに名詞が来るかどうか)」という着目ポイントがわかるようになります。
これが、ネイティヴと同じ感覚を身につける方法です。
もちろん、文の構造を一つひとつ考えていくことは大変ですし、最初は特に時間がかかります。
ですが、そこを避けて先へ進むことはできません。
英語ができる人というのは、地味な努力をしているものです。
それに、その大変さはずっと続くわけではありません。
車の運転にしたって、最初はエンジンをかけるには・・・とか、一つひとつ考えながらで大変ですが、だんだんとスムーズに無意識にできるようになっていきますよね。
英語も同じで、正しく文の構造を把握する練習を繰り返すことで少しずつそのスピードもアップし、ネイティヴのように無意識に読めるレベルまで高めていくことができるのです。
今回のお話は以上となります。